本当のプロ

今、私は放送大学で心理学を勉強している。学び始めた理由は、前職を退職した際に「このままではいけない。何か行動しなければ!もっとスキルを!」と考えたからである。
学び始めると心理学は非常に面白い。特に「認知行動療法」が面白い。今まで行ってきたファシリテーションが「心理学」というフィルターを通して理論化される。そして、新しいアプローチも学ぶことができている。この年齢になって、学ぶことが楽しい思えるようになってきた。
さて、放送大学の学び方はテキストを使った自己学習と定期的なラジオ放送を使った放送授業で進められる。放送授業とは事前に録音してある講師の声を聴きながら学ぶ。私はラジオは聞かずに、インターネットで学んでいる。放送大学の専用サイトがあり、そこを使えば自分の好きな時に学ぶことができるのである。
ある日、授業でこんなことがあった。講師の方が何を言っているのか分からないのだ。話し方の問題ではなく、使われている言葉が専門用語が多すぎてまったく分からないのだ。もちろん、私自身も一度テキストを読んでから挑んている。それでも分からない。正直、その回はインターネットで専門用語を調べながら学ぶしかなかった。
別の日。先日と違う講師の授業に挑んでみると、凄く聞きやすいのだ。心の中で「うんうん」と頷きながら学ぶことができていた。先日の授業と何が違うのだろうか?
それは「伝え方」であった。2人とも授業の中で専門用語が使っているのだが、一人の方はそのまま専門用語を、もう1人の方は専門用語をかみ砕きながら、一般的な言葉で言い換えて話しているのである。
おそらく、お二人とも業界内ではプロなのだろう。だが、教える、伝えることに関してのプロは後者の講師であろう。
プロ=プロフェッショナル。日本語での意味は専門家。
2人とも心理学の業界ではプロであり、優秀な研修を残しているのだと思う。大学の講座に登壇されるぐらいだ。知識量や業績は保証されている。
どんな業界でも一流、二流、、、という言葉が存在する。では、一流のプロになるためにどのようなことが必要なのだろうか?
アドベンチャー教育の中でも多くの専門用語が存在する。そして、セミナーやワークショップの中で専門用語を解説することもある。また、クライアントにアドベンチャー教育の説明をすることもある。その時に意識することは、業界用語を使わずに、いかにわかりやすい言葉を選びながら説明するということだ。確かに専門用語を使った方が言葉数は少なく終わる。効率がいいだろう。しかし、それでは伝えないことが伝わらないどころか、不信感を抱かれる可能性もある。
「本当のプロ」の要素の1つとして、専門用語をわかりやすく伝えることができる力があると考える。
そんなことを意識させられた授業だった。
コメントを残す