ワークショップ報告「体験から学びを得る 自己変容編」

アドベンチャーリンク主催のオンラインワークショップ「体験から学びを得る 自己変容編」が、2月11・14日の二日間にわたって開催されました。参加者は、20代から60代まで計8人。学校の先生やフリーランスの研修講師など人材開発や教育分野に携わっているメンバーが集まりました。今回は、アドベンチャーリンク所属のファシリテーター中邑ちゃこが、一人の参加者の視点でワークショップを報告したいと思います。

さて、アドベンチャー教育における「体験から学びを得る」とは実際どのようなことを指すのでしょうか。アドベンチャー教育では「体験する」ということをとても大切にしています。なぜなら体験することによって、自己理解や自己内省、ひいては他者理解などの学びが深まるからです。
印象的だったのは、アクティビティに夢中になって取り組むほど(つまり、楽しむほど)、参加者たちの素の部分が、自ずと出てきてしまうということです。アクティビティ(活動)の最中は気づかないことも多いのですが、体験後に「何が起こったのか?」「どうしてそう思ったのか?」とグループのメンバーで一緒に振り返っていくうちに、自己理解や他己理解が自然とできていく。「自分にはこんな一面があるのかも」「この人のこういう性質がアクティビティ中の行動パターンからわかるな」というような相互理解が深まっていきました。


相互理解ができ、参加者の心理的な安全性が担保されると、また違った視点が生まれてきます。
私自身も当初は「まずは楽しむ。そして実体験として体験から学びを得る経験をしたい」という目標設定を掲げていました。しかし、アクティビティに取り組むうちに、視点の変化が訪れたのです。
それは「ただ、自分が楽しむのではなく、チームのみんなに楽しんで欲しい」というもの。その理由としては、皆が楽しむことによってチームとしての居心地の良さがよくなり、結果アクティビティを達成しやすくなるのではないか、と結論づけたからでした。つまり、私個人から参加者全員へと視点が移ったのです。
本来、アドベンチャー教育は、学校のクラスづくりや企業での研修、スポーツチームなど、共通の目的を持つチームに実施するケースが主流です。しかし今回集まった参加者たちは、初対面同士も多く、所属する組織も異なります。そのため、個人目標を掲げることは容易くても、共通の目的や目標を持つという認識は、生まれにくかったように思います。

そんな状況下において、共通の目的を持つ必要性をメンバー皆が認識し、「お互いの学びをサポートする」という共通認識を持てたのは、大きな一歩だったように思います。ファシリテーターからの誘導ではなく、参加者自らが課題を発見し、参加者みんなで答え(解決法)を探る。それこそ、アドベンチャー体験を通して得た学びといえるのではないでしょうか?
二日間のワークショップを終えて、「体験から学びを得られる」ということは、参加者の皆さんも腑に落ちていたようでした。変化した部分があった方や変化ではなく改めて自分の軸を再確認された方、今現在の自分の認識に大なり小なり変容があったようでした。
□参加者の声抜粋
期待を越えた構成と気付きがあった。 メンバーもとても良かった。
物事をよく考えるようになりました。人によって一つの言葉でも捉え方が違う。十人十色。ですが、チームとなるならば、どこかで共通認識をもつことが必要だなと思いました。そのために、話すことや聞くことでチームとしての認識のすりあわせ、そして、違う考え方を聞くからこそ、いままでの自分の中で作り上げた考えと他の人の考えをすりあわせることで、新しい自分が作られていくのかなと思いました。というより、日々自己変容しているのかなと思いました。とても、楽しい時間でした。ありがとうございました。
参加者の方のインタビュー記事
ワークショップから一週間ほどが経過したことにより、終了後すぐには気づかなかった思いに改めて気づいた、という参加者もいるかもしれません。「あの時こんなことを考えていた」など、今だからこそ打ち明けられる思いや気づきを、またみなさんとどこかで共有できたら、さらなる学びにつながるのではないでしょうか。またこのメンバーでワークショップに挑戦したいなぁと思わせる素敵な二日間でした。
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