ワークショップ報告「チーム作りを考える~オンラインで阿吽の呼吸は作れるのか?」

11/14にアドベンチャーリンク主催のワークショップ
「チーム作りを考える~オンラインで阿吽の呼吸は作れるのか?」が開催されました。
今回はアドベンチャーリンクのファシリテーターである中邑ちゃこが、参加者の目線でワークショップを紐解いていきたいと思います。
さて、みなさん阿吽の呼吸ってどんなイメージでしょうか。
小学館のデジタル辞典によれば「二人以上で一緒に物事を行うときの、互いの微妙な気持ち。またそれが一致すること」とありました。
今回のワークショップ参加者は、居住地も年齢も様々な5名の男女。
対面に比べて相手の表情や声のトーンがわかりにくい中、初めてお会いする人もいて、画面越しからもちょっとした緊張感が伝わってきました。
対面ですら阿吽の呼吸を作るのは難しいのに、オンラインでできるのだろうか?
参加者たちの不安と同時に期待も高まっているようでした。
まずは参加者がイメージする阿吽の呼吸を共有するところからスタート。
その後、今回の担当ファシリテーターから
「阿吽の呼吸」イコール「暗黙の協調」であるというお話がありました。
暗黙の協調とは、社会心理学研究において「チーム・メンバーが課題遂行時に明示的なコミュニケーションなしに円滑な連携を取ることと定義されている」のだそうです。
続いて暗黙の協調が生まれるのはどんな時かという問いかけがありました。
ファシリテーター曰く「お互いに尊重し合えるような心理的な安全性が担保されている中で、様々な体験を積み重ね、その体験の過程や結果をチームで振り返り、次の体験へとつなげる中で育まれる、という仮説が立てられるのではないか」とのこと。
参加者同士が共通の認識を持ったところで、実際に課題に挑戦することになりました。
最初にトライしたのは、参加者全員で全く同じ「アリ」を描くというもの。
はじめは何の話し合いもせずにスタートしたため、サイズも形もバラバラな絵が出そろいましたが、何回か再チャレンジをするにつれ少しずつ参加者同士で意見交換がなされるように。
当初は人任せでいいやと考えていた人も、会話についていけずに不安に駆られていた人も、表情を見ながら会話を重ねるうちにお互いにやり方を確認しながら取り組めるという安心感が育まれたようでした。

次第に全員で目標を達成しようという思いへとつながっていったように感じました。
この体験をふまえて取り組んだのが、ランダムに並んだ数字を1から順番に消す時間を競うというアクティビティ。
はじめは声を出さずに挑戦するというルールのもと、消す順番を決めて1人一つずつ消していきましたが……途中で失敗。そこで、次は声を出せるという条件を加えて取り組んだところ、無事成功!計3回挑戦しましたが、最後は当初のタイムの約半分の時間まで縮められました。
参加者からは会話をすることにより「安心感がある」「一体感が生まれる」「楽しい」「協力できる」などの発見があった様子。
より濃密にコミュニケーションを図るとパフォーマンスが上がると体感したようでした。
最後のふり返りでは「定期的に続けていけば、オンラインで阿吽の呼吸は作ることができる」という結論に。
時間をかければ「明示的なコミュニケーション」がなくとも阿吽の呼吸は作れるのかもしれませんが、より短期間で阿吽の呼吸を作るためには、課題前後にお互いにしっかりとコミュニケーションを図るほうが大切であり、お互いの価値観を知り安心できる環境を作ることも大切、と捉える参加者が多かったように思います。
私自身は当初、オンラインのほうが対面に比べてコミュニケーションがとりにくいのではないかと考えていました。しかしワークショップを通して、暗黙の協調が生まれる状況下にあれば、オンラインか対面かどうかということはあまり関係がないのではないか、と感じるようになりました。
何よりも大切なのは、暗黙の協調が生まれるために必要である「お互いに尊重し合えるような心理的な安全性が担保されている中で、様々な体験を積み重ね、その体験の過程や結果をチームで振り返り、次の体験へとつなげる」という経験を積み重ねることです。
昨今はコロナ禍でオンラインの需要が高まりつつあります。
チームで取り組む仕事のパフォーマンスを上げたい
クラスの雰囲気をよくしたい
スポーツチームの絆を深めたい
でも、大人数で集まるイベントや研修をセッティングするのはためらわれる……
そんな人も少なくないかもしれません。
ですが、こんな時だからこそ、
オンライン上で阿吽の呼吸を体感する価値があるように思います。
きっとチームのみんなで阿吽の呼吸を成立させることができれば
最低限のコミュニケーション(もしかしたら全くいらないかも?)で
最高のパフォーマンスを発揮できるはず!
ぜひみなさんも、オンラインで阿吽の呼吸を体感してみませんか?
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