スタッフインタビュー:大畑はたけ

スタッフインタビュー:大畑はたけ

この業界に魅せられ、6年ほど前に脱サラして、ファシリテーター※①としての道を歩み始めたはたけ。昨年9月から、アドベンチャーリンクのファシリテーターとして中高生に体験型研修を実施してくれています。インタビューをすすめるうちに、子どもたちのためにと真摯に仕事に向き合うはたけの真面目な一面が浮き彫りになってきました。

□アドベンチャーリンクの代表であるゴマちゃんとの出会いについて教えてください。

数年前に、兵庫県でファシリテーターデビューをすることになり、その現場で出会いました。右も左もわからない状況の中、声をかけたのがゴマちゃんだったんです。そこから定期的に他の現場でも会うようになり、昨年ゴマちゃんがアドベンチャーリンクを立ち上げたときに、お仕事をいただくようになりました。

□ファシリテーター※①を生業とするきっかけとなった出来事を教えてください。

僕自身、高校時代にアドベンチャー教育に触れながら生活をしてきた、というところが大きいかもしれません。正確には僕が初めて触れたのはアドベンチャー教育※②というより冒険教育※③ですね。

出身である山口県はとても冒険教育が盛んなところで、担任の先生が冒険教育を推進する立場の人でした。入学した高校も試験的に冒険教育をするという、いわば〝実験的な試みをするクラス〟だったんです。そのためアイスブレイクや、課題解決ゲームをする機会が多く、実習においても、目標設定をしてから活動を行い、結果をしっかり振り返るという、体験型研修の手法を用いた授業に取り組んでいました。

そのせいか、当初は友達ができにくいタイプだったんですが、3年生になる頃には、人見知りもなくなり、生徒会の活動にも携わるような自主性を身に着けていました。自分では気づきませんでしたが、周囲の友達から別人のようだね、と指摘されたこともあります。

□冒険教育に魅了されたわけですね。では卒業後すぐに冒険教育に携わるようになったのですか?

卒業後は工業製品を扱う会社で営業をしていました。その一方で、仕事終わりに冒険教育の研修やワークショップに参加したり、休みの日はサマースクールで冒険教育のインストラクターをボランティアでしたりしていました。そのうちに「色々な職種を経験して今後に生かしたい」と言う気持ちが芽生え、何回か転職をしました。林業、製造業、運送業、掛持ちでサービス業や交通誘導員もしましたね。これらの経験があって様々な現場の方と一緒しても話題に困りません。この間も、寝る間も惜しまずに、一貫して冒険教育に携わる活動はしていましたね。

□何が自分をそこまでさせたと思いますか?

前提として、小さい頃から年上の人と遊ぶ事も多く、初対面だろうが、異性だろうか関係なく様々な人と触れ合ってきました。田畑を駆けまわったり山の中を探検したり、無謀な事もしました、良いも悪いも様々な経験が、今の自分をつくったと思います。

その上で、冒険教育に関わっている最中に知り合った人たちがとっても魅力的だったんです。9割は教員だったんですが、みんな自分の軸を持っていたんですね。しかも、自分らしいやり方は追求しつつも、他者のやり方も認めている。自分もその一員になりたいし、そうありたいと思っていました。おこがましいですが、教員ではない自分が関わることで、新しい見方、視点、考え方をもたらすことができるんじゃないか、という思いもありましたね。のめり込むうちに、もっとこの業界に関わりたいという思いが捨てきれず、30歳で脱サラしました。

□なるほど。では脱サラして初めにしたことは何ですか?

公益財団法人日本アウトワード・バウンド協会(OBS)が主催する「冒険教育指導者育成プログラム(JALT)」に参加して、指導者の資格を取りました。その後は、OBSから依頼があったときに冒険教育の指導者として仕事をするほか、個人でも冒険教育やアドベンチャー教育に関わる仕事を請け負っています。ほかにも今までの経験値を生かしてできる仕事は請け負うようにしています。

□対象はどんな人が多いのですか?

主には小学生から高校生ですが、幼児も大人も対象です。不登校の子どもや児童養護施設に行くこともあります。

□子どもと関わるときに心がけていることはありますか?

理論を意識した上で、自分らしいファシリテーションをするということです。僕の場合は、クライアントの目標設定を把握した上で、一方的に押し付けるのではなく、子どもたちのニーズを汲み取りながら、アクティビティを提供することを心がけています。危険にさらされない限りは、基本的には介入はしないようにしています。

□なぜ介入しないのですか?

子どもの主体性を大切にしているからです。あくまでも我々はわき役であって、主役は参加者である子どもです。活動をしていると、次第に子どもたち自らコンセンサスをとって、すすめていくようになるんです。その一連の流れの中で子どもたち同士の話し合いの時間が生まれることが多いのですが、そのディスカッションのためにはいくらでも時間を割いてほしいな、と思っています。なので、中途半端なところで介入しないよう気をつけています。

□なるほど。では、アドベンチャーリンクの仕事に携わるようになって変化はありましたか?

今までファシリテーションをする際に、子どもたちの輪に入ることはなかったんですが、時と場合によっては一緒に活動をするという方法もあるんだなと知りました。一方的に観察するよりも、子どもたちと距離感が近くなり、生の声がきけるようになると気づいたんです。それに、自分自身をさらけ出すと、子どもたちも本音をぽろりとこぼしてくれたりする。新しい発見でしたね。

□アドベンチャーリンクはどのような存在ですか?

自分の経験を積んだり、自己研鑽したりできる場所ですね。今まで積み上げてきたスキルや経験値を発揮できる場でもあります。おかげで、野外屋内問わず、どんな環境下でもプログラムを実施できる自信がついてきました。今後もいろんな現場で得た経験を子どもたちに還元していきたいですね。そのためのスキルアップにも力を注ぎたいと思います。

※①学習促進者。はたけは冒険教育インストラクターとしてもファシリテーションを行なっている。

②プロジェクトアドベンチャーの考え方や手法に基づいた活動プログラム。冒険教育プログラムを学校教育の現場に活かしやすいよう手を加えたもの。

※③ドイツ生まれの教育者、クルト・ハーンが提唱した野外体験型の教育プログラム。

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