スタッフインタビュー:ゴマちゃん(後編)

スタッフインタビュー:ゴマちゃん(後編)

前編はこちらからスタッフインタビュー:ゴマちゃん(前編) – アドベンチャーリンク (adventure–link.com)

子どもたちに「暴言」を言われたことがきっかけで、「逃げない」と意識したゴマちゃん。そこからファシリテーションがどのように変化していったのでしょうか。後編では、ゴマちゃんのファシリテーションの変化を、実例を交えて紹介。アドベンチャーリンクで実現したい夢や目標についても聞きました。  

□「逃げない」という気づきを経て、ファシリテーションの仕方がどう変わりましたか? 

その次の日から明らかにファシリテーションの仕方が変わったと思います。ある中学生グループを担当した時、ものすごくちょける(ふざける)子がいました。僕を見てクスクス笑ったり、時折、相手をバカにするようなチャチャを入れたりするんです。かつての自分だったら、放っておくのですが、「何をクスクス笑ってるの?その態度嫌なんだけど」と返しました。

後からわかったのですが、クラスの中でもその生徒がちょけるのは日常茶飯事だったそうなんです。小学校時代からずっと一緒だった周囲の子どもたちは、フラストレーションが溜まっていたようでした。そんなバックグラウンドを抱えていたこともあり、アクティビティが上手くいかず、次第に子どもたちにストレスが溜まっていきました。すると自発的にその子の態度が良くないと指摘する子どもが出てきたのです。おそらく、学校とは違う非日常空間でアドベンチャー体験をしていたことも加わり、クラス内に衝突が生まれ、考え方や価値観、感情がぶつかりあう瞬間が生まれたんだと思います。

そこで、3~4メートルほどの高さの壁を、全員で協力しながら乗り越えるウォールという難易度の高いアクティビティを提供することにしました。理由は、今このクラスには強い達成感が必要だと考えたからです。今までだったら、衝突が生まれた瞬間に子どもたちの様子を見て、楽しく終われそうなプログラムを提供したり、介入したりしていました。でも、自分自身が「逃げない・向き合う」という壁を一つ突破したからこそ、グループの状態を見極め、適切なアクティビティを提供することができたんだと思います。ファシリテーションの腕が大きく上がったと感じた瞬間でした。

 □なるほど。逃げずに立ち向かうことが一つの契機になったんですね。

はい。昨年度、1500人ほどの中高生にファシリテーションをしたのですが、フリーランス1年目に比べ、参加者からの評価が格段に上がったと実感しています。参加者との振り返りの中で「自分の殻を破れました」という声を聞いたときは、アドベンチャー教育の効果を感じることができ、嬉しかったですね。 

◻︎ではフリーランスという枠に留まらず、アドベンチャーリンクを立ち上げたのはなぜですか。

ちょうど一年ほど前、覚悟をもってこの仕事に取り組んでいく、という決意を表すために、屋号を作りました。長年この業界に携わるにつれ、アドベンチャー教育は、お互いに尊重し合う居心地のいい社会をつくるために、役立つツールだなと感じるようになりました。実は僕自身、お互いを尊重し合えるような居心地の良い会社で働いた経験がないんです。だからこそビジネスの場で、お互いに遊びを通して人間関係を育みながら、本音で話し合える関係性をつくりたいという思いが強くなりました。アドベンチャー教育を学ぶ人が増えれば、僕が理想とする社会に近づく一歩になると考えたんです。 

□アドベンチャーリンクの理念について教えてください。

ビジョンは、「自分らしくいられる社会をつくる」。そのためのミッションとして、「お互いに尊重し合う関係環境をつくる」を掲げています。行動指針はアドベンチャー教育を用いて、「人と人をリンク」「体験と自分をリンク」「ありたい自分とリンク」「人とチームをリンク」したいと思っています。 

□アドベンチャーリンクの名前とも合致しますね。

そうですね。理想はそうなのですが、アドベンチャーリンクはまだ立ち上がったばかり。まずは、アドベンチャーリンクに関わってくれるファシリテーターの皆さんに、アドベンチャーリンク内で自分たちのミッションを体現してもらえるような仕組みをつくりたいと思います。現状、ファシリテーター同士の交流がないんです。同じチームであるという認識をもってもらえるような関係性をつくっていくのが目標です。 

□ほかに目指していることはありますか?

僕と一緒に仕事をしてくれているファシリテーターのためにも、常に成長し続けたいと思っています。具体的にはまずは人としての在り方を太くしたいですね。弱い自分を認めると同時に、弱さに負けない強さを持ち合わせたいと思っています。最近、どうやら僕は人と人をつなげてコミュニティをつくるのが得意だとわかってきました。いずれ多くのファシリテーターが、アドベンチャーリンクを通して新たなコミュニティをつくってもらえたら嬉しいですね。そのためにこれからも精進し続けたいと思います。 

 インタビューアーちゃこ

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