スタッフインタビュー:ちゃこ


本名:中邑
ニックネーム:ちゃこ
今年の9月にアドベンチャーリンクのファシリテーターとしてデビューした中邑ちゃこ。中高生向けのアドベンチャー教育のファシリテーターとして現場に立ちました。子どもをもつ親として、この業界のことをどう見ているのか、シーズンが終わった今どう感じているのか、インタビューしてみました。
中邑ちゃこの真面目な一面、真摯に向き合う姿勢が感じられました。
ファシリテーターになったきっかけを教えてください。
ファシリテーターの募集を見て「成長したい人」というフレーズに惹かれ、応募しました。子を持つ親として、子どもとの関わりを学べそうと感じたのが一番のきっかけです。人と触れ合う機会が多く、自分自身も学びながら成長できると感じました。
元々、編集ライターをしていたこともあり、取材などで、初対面の人とコミュニケーションを図る難しさを実感してきました。ここで培った対人コミュニケーションのスキルを、ファシリテーターに生かせるのではないかなと思ったのです。
ファシリテーターとして現場に立つまでの流れを教えてください。
オンラインで面談を終えた後、日帰りのワークショップに参加しました。その後初めて現場を見学したのですが、知識が足りない私にできるのかと不安でいっぱいだったことを覚えています。
見学を1回したのちにすぐにデビューとなり、とりあえず無事に終えられるよう必死でプログラムを考えました。本やYouTubeを頼りにアクティビティ(アドベンチャー教育で用いる活動)を調べ、1日の流れを組み立てました。アドベンチャーリンク代表である前田ゴマちゃんの「できるように見せるのも一つのスキルですよ」という助言を胸に、「まずはやってみなければ始まらない」と自分に言い聞かせましたね。「最初からうまくいくはずはない、とりあえず10回はやろう」という決意をもって現場に向かいました。
デビューしたときの心境はいかがでしたか?
デビューの日は雨でした。雨の場合、室内で実施するケースが多いのですが、レインコートを着て秋雨に打たれながらやるという貴重な経験をしました。
そんな状況ですから、もちろん計画どおりにいくはずもありません。どんなアクティビティをしたか思い出せないほど無我夢中でした。
そんな中でも念頭にあったのは、前田ゴマちゃんの「子どもたちが途中で投げ出してしまうケースがあるかもしれないけど、担当している数時間は責任を持ってグループを見るという気概を持ってほしい」という言葉です。参加者が体験を途中で投げ出してしまう状況のことを崩壊と呼んでいるのですが、崩壊させないようにと必死でしたね。
10回以上経験した今の心境を教えてください。
とりあえず、1日のプログラムをこなすことができるようになったと思います。
しかし、クオリティにはまだまだ不安があり、自信をもってファシリテーターと名乗れるかというと、断言できない自分がいます。ファシリテーターと言い切るからには、目の前のグループの状態をしっかり見極め、臨機応変に対応できる必要があると感じています。
今シーズンは特に、子どもたちが困った表情を浮かべたときや、ふとこっちを見た瞬間に、崩壊しないよう手を差し伸べてしまっていました。実力あるファシリテーターであれば、崩壊しても、突拍子もないことが起きても、慌てずにグループに向き合えるのではないかと思います。早くその境地にいけるよう精進したいですね。
ライターの経験がファシリテーターに生きた瞬間はありますか
どんな言葉がけをしたら、参加者の心に響きやすいか意識しています。毎回活動を始める前に約束ごとを伝えるのですが、「危ないことはやめよう」という声かけを「怪我をしてほしくないからやめてほしい」と言い換えるようにしました。自分の思いをどのように伝えたら相手に届きやすいのか、ということに仕事をする中で改めて気づきました。
シーズン中の思い出深いシーンは?
体験中、楽しそうにやっている子がいる反面、表情が曇っている子もいます。決して不貞腐れているわけではないけど、明らかに楽しくなさそうな雰囲気を醸し出している子。今もそんな子どもたちの表情が脳裏に残っています。もっと自分に力があり、子どもたちの色々な感情や気づきを引き出せていれば、もっと一生懸命に取り組んだり、心から楽しむことができたりしたのではないかなと思っています。
ファシリテーターを始めて自身の中で変化したことはありますか?
変化とは違うかもしれませんが、イメージしていた自分像と違う一面に気づきました。社交的だと思っていたけれど、そうでもなかったようです。1対1だと初対面の人にも話しかけやすいのですが、集団になると苦手。子どもの突然のボケにうまく返すことができず落ち込むこともありました。ファシリテーターをしていると、自分が目を背けていた自分の弱点を突き付けられる場面が数多くあります。まずは自分を知り、認めること。そのうえで自分らしいファシリテーターになれたらいいなと思っています。
ファシリテーターをして楽しかったことは?
アドベンチャーリンクのファシリテーターは、それぞれに専門分野があって、魅力的な人たちが集まっています。毎回、新しい価値観や知識を知ることができ、現場に行くのが楽しみでした。アドベンチャーリンクは私にとって居心地がよく、ここでファシリテーターとしてのスタートが切れてよかったと感じています。
今、改めて思うことは
想定外のことが起こり大変でしたが、振り返ると充実していて楽しかったです。来シーズンに向け、スキルアップをしないといけないなと思う今日この頃です。
アドベンチャー教育のファシリテーターを目指す方へ一言
やる気と度胸があれば、知識がなくてもやれます。知識は後からついてきます。
アドベンチャーリンクのファシリテーターに興味がある方はこちらから
(20201217 インタビュワー:前田)