クラスを作っていく上で先生に大切にしてほしい3つのこと

今回のブログでは、アドベンチャーリンクとして大切にしている理念をクラス作りへ活かすコツをお伝えします。しかしながら、今すぐ使えるスキルがほしいという方には向かない記事なので、ご注意ください。
さて、、、
さて、新たな出会いの時期が始まろうしています。子どもたちも先生も入学式や始業式に向けて、様々な準備をされているのではないでしょうか?新学期に向けて外部の研修へ学びに行く方も多くいらっしゃると思います。とある先生向けのイベントサイトを見てみると「絶対に上手くいく学級開きの方法」「クラスが暖まるアイスブレイク〇選」「黄金の3日間を成功させる〇個のコツ」という手法を学ぶイベントが目立ちます。手法も大切ですが、より重要なのは「想い」です。なぜ、その手法を取り入れたいのか?その手法を取り入れて、子どもたちにどのような成長をしてほしいと願っているのか?
特に、学級担任をされる先生方に大切にしてほしいのは「あなたと目の前の子どもたちはお互いにどんなクラスを作っていきたいと考えているのか?」ということ。
今回は「相互尊重」しながら、子どもたちも先生も共にクラス作りをするためにはどうすればいいのかを紹介していきます。一部、手法の紹介となります。しかしながら、「なぜするのだろう?」「自分ならこう伝えよう」と考えながら読んでほしいと思います。
①先生として
-積極的に自己開示をすること
児童・生徒へ積極的に「自己開示」をしていきましょう。どんどん自分のことを知ってもらう機会を作りましょう。そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、中々できません。「好きな食べ物」「好きなアーティスト」というレベルでは話せるかもしれませんが、深いレベルまでは話していないことが多いです(例、好きな食べ物にまつわるエピソード、そのアーティストを好きになった理由や体験談など)
深いレベルまで自己開示できれば、相手が自分自身に親近感を湧いたり、人柄をより知ることができたりします。結果、より良い人間関係が構築されていきます。アドベンチャーリンクの目指す「相互尊重」のきっかけ作りです。そして、「自己開示」していくための方法は無限にあるので、ぜひ、本やネットで探してみてください。大切なのは「何を」するかではなく、「なぜ?」するかです。
-予定調和を崩すこと
私たちは多くの学校団体へプログラムを提供してきました。そして、多くの先生方と出会ってきました。そこで感じたのは非常に教育熱心な方が多いということ。と同時に、真面目な方が多いということです。そんな先生にお伝えしたいのはぜひ、予定調和を崩してほしいです。学生時代を思い返してほしいのですが、よく授業中に雑談をする先生がいませんでしたか?そして、授業の内容よりもその雑談を鮮明に覚えていませんか?これがまさに「予定調和を崩す」です。
人間は予想します。授業の流れや内容を予想します。塾に行っている児童・生徒は先に答えを知っているかもしれません。だからこそ、その予想を崩されるとワクワクするのです。そして、先生のことをより強く印象づけられ、児童・生徒と強い関係性を構築することが可能です。ただし、この方法はやりすぎ注意です。予定調和を乱されることを不快に感じる児童・生徒も必ずいます。これも「手法」ですが、「なぜやる?」「どうしてやる?」のかを考えた上で使ってほしいと思います。
②児童・生徒たちへ
-オーナーシップを育むこと
自分たちがクラスのオーナー(所有者)だという感覚を育むことが大切です。クラスは一体、誰のものかというと、「子どもたちと先生」のものです。本来であれば、学級内のルールは児童・生徒が決めてもいいはずです。しかしながら、子どもたちが決める場面は少なく、先生が決めることが多いです。小学校でよくあるのが、授業中に教室内を歩く方向を決めておられる先生がいます。これはコロナ前からよくある光景です。理由としては混乱をさけるため。
ですが、私たちは混乱を体験してから、子どもたちと決めてもよいと考えています。特に学年が上がれば上がるほど、集団の中での過ごし方に関するノウハウが蓄積されているので、どんな方法が一番いいのか話し合い決めれるはずです。なぜ、それができないのか?自分たちで話あって決めた経験がない、教師が決めるといったことをされてきた結果だと考えています。
オーナーシップ
オーナーシップとは・意味|創造と変革のMBA グロービス経営大学院 (globis.ac.jp)
-投げかけること
オーナーシップを育むことにも繋がっていきますが、「投げかける」ことが大切です。なぜ、投げかけるのか?理由は2つ。自分で考えるクセをつけること。そして、選択肢が自分たちにあることを分かってもらうため。例えば、国語の音読の時間。「〇〇さん読んでください」と「〇〇さん読んで欲しいのだけど?」ではどちらに選択肢がありますか?後者です。嫌だったら断ることもできます。と同時にチャレンジするチャンスも存在しています。
また、「今からこうします」と「みんなどうしたい?」ではどちらが選択を委ねてもらっていると思いますか?こちらも後者です。アドベンチャーリンクでは絶えず投げかけ続けます。「どんな気持ちだった?」「なぜ、そう思った?」「みんなはどうしたい?」「みんなで決めてもらえればOK!」など。この結果、子どもたちは「発言してもいいんだ」「聞いてもらえる場がここにはある」「言わない選択もある」と感じることができ、おのずとその場に対して安心・安全が作られていきます。
③教室として
-心理的安全性を育むこと
心理的安全性とは「子どもたちも教師も一人一人が安心して、自分が自分らしくそのクラスへ居れる環境や関係性」がその場にあることを言います。この言葉はグーグルが提唱した考え方で、ここ数年で世間一般に広まってきました。心理的安全性はまずは先生が作り始めることが必要です。もちろん、心理的安全性を育んでいくことを子どもたちへ伝えることは必要です。なぜなら、将来的には子どもにも心理的安全性を作っていっていくからです。「なぜ作るのか?」という部分を伝え先生が実践しながら、きっかけ作りを行っていきます。
学級図書を揃える、席順を工夫するなど教室環境を整えることに目が行く先生も多くいます。もちろんそれも否定しません。教室環境の効果が出てくるのは、子どもたち同士や先生との人間関係が構築されてからです。まずはお互いに心理的安全性がある教室作りを行っていくことが大切です。
-目的・目標を明確にすること
学級目標を掲げなければならないという話ではありません。3学期の終業式に「どうなっていたいか」「どんな気持ちで終わりたいのか」というゴールをクラスで共有することが大切です。目標には2つあります。1つが達成目標「勝つ」「〇回戦まで行く」など。もう1つは「行動目標」です。学級目標が行動目標であることが多いです。「みんな楽しいクラス」「ケンカしないクラス」など。達成目標と行動目標はペアです。達成することを目指して、そのための行動を考えます。
例えば、3学期の終わりに「楽しいクラス」でいるために「みんな楽しく」「ケンカしない」行動を取るのです。4月~6月に学校プログラムをする際は児童・生徒たちへ「3学期の終業式にどんなクラスで終わりたいのか」を聞き、そのための行動・想いを模造紙へ記入し学級へ持ち帰ってもらいます。1人1人が責任感をもち、目標達成のためにどう行動するのか。そこには理由が必要で、そのためには目的・目標が必要がです。
まとめ
「手法」も絶対に必要です。技があれば乗り越えられる場面もあります。しかし、子ども嫌いな人が子どもが喜ぶクイズやゲームをしても、その場が楽しいだけで、子どもたちと心からつながることは絶対にできません。今一度、「なぜ?ノウハウを得たいのか?」「得た結果、それを用いて子どもたちにどうなってほしいのか?」「そもそも、自分が子どもたちへ何を伝えたいのか?」新学期、クラス担任が始まる前に考えてほしいと思います。
もしも、、、、
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